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血圧の下が高い
(拡張期血圧が高い)

血圧の下が高い
(拡張期血圧が高い)

血圧の下が高い(拡張期血圧が高い)血圧は一般的に心臓が縮む際の一番高い血圧(収縮期血圧、最高血圧)と心臓が拡がる際の一番低い血圧(拡張期血圧、最低血圧)であらわしますので上と下と表現されます。下が高いということは、拡張期の血を送り出す圧力が通常より高いという意味です。

血圧とは

心臓は収縮と拡張を繰り返し、血液を全身に送るポンプの役割を果たしています。心臓から押し出された血液は血管の壁に圧力を与えますが、血管壁は柔軟性をもってこれを受けとめ、血液を先へと送り出すことを助けます。この時血管の壁に加わる力が血圧で、mmHg(ミリ水銀柱)という単位であらわされます。

収縮期血圧(最高血圧、上の血圧)

心臓が収縮することで、強く血液が送りだされます。そのため血管壁への圧力も一番高くなります。この時の血圧を収縮期血圧と呼び、上または最高血圧と表現されることもあります。

拡張期血圧(最低血圧、下の血圧)

収縮した心臓は、元に戻ろうと拡張し静脈血が心臓に送り込まれていくことになります。このとき心臓から血液は送り出されず、動脈内にある血液が末梢へと送られていきます。そのため、血圧は一番低くなります。このときの血圧を拡張期血圧と呼び、下または最低血圧と呼ぶこともあります。

血圧は、心臓が収縮した際、1回で送り出される血液の量、血管壁の厚さや弾力、血液の粘度などによって決まってきます。血圧は血液の量が多く、血管壁が薄く、弾力が少ない(硬い)と高くなります。

血圧の下が高いだけでも高血圧

高血圧血圧は1日のうちでも食事、運動などの関係で大きく変動します。そのため高血圧とは何度も測定して血圧が常態的に高い状態のことで、医療機関で測定した診察室血圧の上が140mmHg以上か下が90mmHg以上のどちらか、または両方に当てはまる場合をいいます。
つまり下だけが90mmHg以上の場合も高血圧となります。

高血圧について

血圧の下が高い原因

下の血圧は、心臓が血液を送り出していない状態のため、心臓の機能に問題はなく、血液がドロドロになっているか、血管壁に問題がある可能性が考えられます。

血液がドロドロ

血管に問題がなくても、血液がドロドロになると血流が悪くなって血圧が上がることがあります。

末梢血管が硬い

上は基準内で、下の血圧だけが高いという場合には、心臓付近の太い血管に動脈硬化が起こっていなくても、末梢の細い血管で硬化が起こっている可能性が考えられます。
拡張期には心臓からの血流はありませんが、血管の中で血液はゆるく流れています。末梢の血管は細いために硬化があると、どうしても血流が滞りやすくなります。そのため、血管にかかる圧力が上がり、血圧が高くなります。

生活習慣の乱れ

そもそも運動が足りない、太っているなどに当てはまる場合、血糖値が上がったり、血中脂質が増えたりして血液の比重は高くなりやすいです。また、喫煙は血管を収縮させ硬くします。さらに適度の飲酒は血管を拡張しますが、過度の飲酒でも血液や血管に問題が起こりやすいです。これらの生活習慣による問題があると、大血管に問題が生じていない状態でも末梢で問題が起こり血圧は上がります。
男性では50代、女性では60代を過ぎると半数が高血圧になっているという報告がありますが、それより若い方でも上記のような状態があると血圧は高くなりやすいため注意が必要です。

更年期の女性
(ホルモンバランスの崩れ)

女性ホルモンのエストロゲンには血管を拡張させる働きがあります。ところが更年期を迎えると、エストロゲンの分泌が急激に減少するため、まずは末梢の細い血管から影響を受けて下の血圧が高くなる傾向がでてきます。また、エストロゲンの減少によって自律神経も影響を受け、それによっても血圧が上がってくることも報告されています。なお更年期とは閉経の前後5年間を指しますので、日本人女性の場合、平均45歳~55歳ぐらいの間になります。

血圧の下が高いまま
放置すると危険

拡張期(下)であろうと、収縮期(上)であろうと血圧が高い状態とは、それだけ血管がストレスを受けている状態です。そのため動脈硬化を起こしやすくなり、以下のような疾患のリスクが高くなります。

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 認知症
  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 心不全
  • 大動脈瘤
  • 大動脈解離
  • 末梢動脈疾患

など

上の血圧から下の血圧を引いた差の「脈圧」は動脈硬化の手がかりとなります。正常値は30~50mmHg程度で、60mmHg以上になると動脈硬化の進行が疑われます。

下の血圧を下げる方法

下の血圧が高い場合は、既述のように末梢の血管に硬化が起こっている可能性が疑われます。そのため、症状の程度によっては末梢血管を拡張するお薬による薬物治療を検討することになります。お薬としてはカルシウム拮抗薬やα1遮断薬などを選択することが多くなります。ただし、高血圧の場合、まずはお薬ありきではなく、日常生活の改善から治療をはじめます。これは上の血圧、下の血圧にかかわりなく同様です。

生活習慣の見直し

  • 塩分の摂取を減らす(1日6g以下)
  • 糖質(炭水化物や甘いもの)、脂っこいもの、高カロリーのものを摂り過ぎない
  • 炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをバランス良く食べる
  • 飲酒は適量を守る(ビール500mL缶1本、日本酒なら1合)
  • 適度な有酸素運動や適度な筋力トレーニングを習慣化する
  • 肥満、内臓脂肪型肥満の場合は減量を行う
  • 疲れやストレスをため込まないよう規則正しく睡眠を取り、休息も十分に
  • 喫煙習慣のある人はまず禁煙を

これらを試しても十分に効果を得られない場合に、薬物療法を検討することになります。

血圧の下だけ高い場合も
ご相談ください

血圧の下だけ高い場合もご相談ください血圧が高い状態が続くと、血管のダメージが重症化して、動脈硬化から重篤な事態を招きかねません。血圧が高い場合は早めに受診しましょう。当院では経験豊富な医師が生活習慣病の診療を行っています。

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