血圧が高い原因は?
高血圧の原因には生活習慣や精神的なストレス、遺伝的要素など様々なものが絡み合っています。塩分過多やカロリー過剰、運動不足からくる肥満、喫煙や過度の飲酒といった嗜好品など、精神的な問題として強いストレスや精神的重圧などが重なることで血圧が高くなります。
高血圧になると血管への負担から、動脈硬化症、脳梗塞、心筋梗塞といった重篤な事態を起こしてしまう危険性もあります。自覚症状がなく進行するため、健診などで高血圧を指摘された場合は、早めにご相談ください。
高血圧とは
血圧は、一日のうちでも睡眠、食事、動作や精神的な緊張などによって、大きく変動します。また、医療機関で測る場合とご自宅で測る場合など環境によっても異なります。身体的にも精神的にも安静にした上で血圧を計測し、その数値が基準より高い状態が続く場合、高血圧を指摘されます。
高血圧の状態が続くと、血管に大きな負担がかかり、動脈硬化が進行し、脳血管障害や冠動脈疾患など深刻な疾患を発症する可能性が高まります。放置せずに医師のもとで適切な治療を受け、血圧をコントロールしていくことが大切です。
血圧とは何か
心臓がぎゅっと収縮して血液を送り込む時、動脈血が動脈壁に与える圧力が血圧です。収縮期には高く、拡張期には低くなります。
血圧は、起床時に高くなり徐々に上がっていき、昼間にピークを迎え、夕方に向けてだんだん下がって行き、就寝時には最も低くなるというように1日のうちで大きく変動しています。また、気温の寒暖、食事、運動、精神的要因などによっても変化します。
血圧は以下の4つの条件によって数値が決まってきます。血圧の数値はmmHgであらわします。
- 心臓が1回収縮することで送り出される血液量(心拍出量)
- 血管の柔軟性
- 末梢血管に血液が流れ込む際の抵抗力(血管抵抗)
- 血液の粘り気
診療室血圧と家庭血圧
血圧は、計測する時間や環境によって変動します。医療機関で測る血圧を診察室血圧と言い、移動の際の運動や医師の前での緊張で高めに出る傾向があります。一方、家庭で計る血圧を家庭血圧と言い、この場合、リラックスすることができますので、一般的に低めになる傾向があります。現在では、診察室血圧は参考値に留め、家庭で起床時と就寝前の1日2回、定期的に計測して記録しその変化をみることを重視するようになっています。また正確な検査が必要な場合、特殊な装置を24時間付けて計測する24時間血圧の検査を行うこともあります。
高血圧の種類
高血圧は、疾患を原因としない本態性高血圧と、腎臓病や副腎の疾患などを原因として起こる二次性高血圧があります。
多くは本態性高血圧で、塩分過多などの食習慣、運動不足や肥満、喫煙や過度の飲酒、強いストレスなどの生活習慣が原因となっています。一方、二次性高血圧は、腎血管性高血圧、原発性アルドステロン症、睡眠時無呼吸症候群などによるもので、まずは原因疾患を治療することが大切です。
高血圧の症状
高血圧になっても、自覚症状はありません。気づかずに進行すると、頭痛やめまい、肩こりなどの他、息切れなどが起こるようになります。しかし、これらの症状は高血圧と関係なくあらわれることもあり、これらの症状があるから高血圧かもとは考えにくい部分もあります。まずは健康診断などで血圧の異常を指摘されたら、放置することなく医師に相談し進行しないうちに血圧をコントロールしていくことが大切です。
高血圧の治療
血圧を正常範囲に収めるために、まずは生活習慣の改善を中心に行います。食事は塩分を減らし、適切な量を規則正しく食べることが大切です。その他、軽い有酸素運動を続けること、体重をコントロールすること、禁煙、減酒なども大切です。ただし、急に無理な運動や厳しい生活習慣の制限を行うと続けることが難しくなります。できる範囲から続けていくことが大切です。
生活習慣の改善を行っても、数値に改善が見られない場合は、患者様にあわせた血圧降下剤の処方などを行います。
高血圧の予防
血管の健康を守るためにも、血圧を正常範囲に収めておくことが大切です。医師としっかりと相談しながら、以下のような点に気をつけて高血圧を予防しましょう。
塩分の摂り過ぎに注意しましょう(1日の食塩摂取量の目安は6.0g未満)
- 野菜・果物を積極的に食べましょう(腎障害などのある方は医師と相談してください)
- 体重をコントロールしましょう(目標はBMIを25.0以下)
- 適切な有酸素運動(ウォーキングなど)を最低週3回は行いましょう
- お酒は適量に留めましょう。(適量の目安はビールなら1日500mL、日本酒なら1日1合)
- 禁煙しましょう
- ストレスため込まないよう、心身のリラックスさせましょう