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HbA1c(ヘモグロビンA1c)が高い

HbA1cが高い場合に疑われる病気

HbA1cが高い場合に疑われる病気健診や医療機関で行われる採血検査にHbA1cという項目が表示されていることがあります。HbA1cが高い場合は糖尿病の疑いがあります。
膵臓の機能低下によってインスリンの分泌が減少したり、血糖値が高い状態が慢性化したりする場合は糖尿病です。
糖尿病を治療せずに放置すると、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクが上昇し、糖尿病三大合併症(糖尿病性腎症・糖尿病網膜症・糖尿病性神経障害)を併発してしまうとQOL(生活の質)が大きく下がってしまいます。
また糖尿病は、サイレントキラーとも呼ばれており、ほとんど自覚症状がないまま進行していきます。

HbA1cとは

ヘモグロビン(Hb)が血中のブドウ糖とも結びついたものがHbA1cです。一度ブドウ糖と結びつくと自身の寿命がつきるまで分離することがありません。ヘモグロビンの寿命は1~2か月と言われているため、血中にHbA1cがどの程度含まれているかをみることで、直近1~2か月の血糖値の平均を把握することができます。

血糖値とHbA1c

糖尿病の可能性を調べる検査として通常は空腹時血糖値といい、一般的な健診では朝食を抜いた状態で午前中に採血検査を行います。しかし、血糖値は食前と食後、運動状態などで大きく変化するため、空腹時血糖値だけでは食後の血糖値スパイクが見逃されやすいです。しかしHbA1cであれば、直近の1~2か月の血糖値の平均を知ることができますので、糖尿病の可能性の目安を知る方法として、何度も採血検査を繰り返さずに済みます。

HbA1cの基準値

HbA1cの判断基準には、日本糖尿病学会や米国糖尿病学会などいくつかの指針がありますが、ここでは特定保健指導に基づいた基準値を参考に示しています。

5.6%未満

正常値

6.5%以上

糖尿病の疑いあり

7.0%以上の状態が続く

合併症のリスクが高いため、すぐに治療が必要

HbA1cが高い時のリスク

合併症が発症しやすくなる、
進行が早まる

HbA1cの数値は、1~2か月の間の平均的な血糖値の状態をあらわしており、その数値が高いと、太い動脈から末梢の毛細血管までにダメージが及んでいきます。それによって糖尿病特有の合併症のリスクも高まります。

HbA1cの高値の原因は
糖尿病だけではない

糖尿病以外にもHbA1cが高くなる疾患があります。典型的な例としては、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、腎不全、異常ヘモグロビン症などがあります。
甲状腺機能亢進症では、それ以外の症状として動悸、手の震え、体重減少など、腎不全は手足や顔のむくみ(浮腫)などがあります。異常ヘモグロビン症はヘモグロビンに様々な変容を起こす遺伝的血液疾患の総称で、中には溶血性貧血を起こす病態もあります。
当院では、HbA1cが高値の場合、これらの疾患の可能性も考慮して総合的に診断していきます。

HbA1c・血糖値を下げる方法

食事療法

まずは食生活の改善が大切です。当院では、患者様の年齢・性別、体型、運動量など日常生活の状態を詳しくお聞きした上で、それぞれの方に必要なエネルギー量を算出し、最適の食事メニューなどを提案しています。

運動療法

運動療法運動療法としては、適度な有酸素運動と筋力トレーニングが適しています。有酸素運動では、特別な環境を用意せずに行うことができるウォーキングがお勧めです。
また筋力トレーニングは筋肉に負荷をかける運動ですが、ゆっくりと行うスクワットをストレッチと組み合わせて行います。
いずれの場合も、継続できる範囲で行うことが大切です。

薬物療法

糖尿病予備軍のうちと2型糖尿病の場合は、まずは食事・運動療法を中心に行いますが、あまり効果を得られない場合では、経口血糖値降下薬が第一選択肢となります。状態によってはGLP-1受容体作動薬などの注射薬に移行し、さらにインスリン療法を検討することもあります。
1型糖尿病の場合は、インスリン療法が必須となります。

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