朝に頭痛、起床時の頭痛
毎日の寝起きに頭痛を訴える方がいます。寝不足だと思い込みやすいのですが、睡眠中の脳の血行障害によって起こっていることが考えられます。
脳の血流が悪くなると血流を補おうと血管が拡張されることで、脳の神経が刺激されて頭痛が起こります。また、何かしらの疾患による頭痛も考えられます。
寝起きに頭痛が続くようであれば、早めに当院までご相談ください。
朝に頭痛の原因
寝起きに頭痛が続く場合、以下のような疾患の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群
眠っている間に、気道が閉塞したり、呼吸中枢からの呼吸指令がうまく伝わらなかったりして10秒以上の呼吸停止、または低下が繰り返されるのが睡眠時無呼吸症候群です。
低酸素血症、高二酸化炭素血症などが重なり、起床時に頭痛を感じます。
当院では睡眠時無呼吸症候群の場合にCPAP療法などの治療を行います。
高血圧
高血圧は、あまり自覚症状が無いことが特徴ですが、脳血管への圧力によって頭痛が起こりやすいという特徴があります。原因不明の頭痛があり、高血圧が疑われる場合は早めにご相談ください。
脳腫瘍
脳腫瘍は良性・悪性関係なく、思わぬ部分で神経が圧迫されたり、刺激されたりして寝起きの頭痛が起こるというのが大きな特徴の一つです。起床時の痛みが最も強く、だんだん改善して、午前中には解消するのが一般的で、それに加え、嘔吐、突然の視力・視野障害、めまい、片麻痺、しびれ、言葉が出ないといった症状もあらわれます。
片頭痛・筋緊張型頭痛
片頭痛は脳の血管が一時的に拡張することで起こると考えられています。覚醒時に血流も活性化し、脳の血管が拡張するために朝に片頭痛が起こることがあります。
筋緊張型頭痛は、睡眠時の頭の位置、肩こり、寝過ぎなどで筋肉が緊張することで起床時に頭痛が起こります。
睡眠不足
年齢によって異なりますが、睡眠時間の目安は6~8時間です。睡眠が不足すると疲れが取れず頭痛を起こしやすくなります。また睡眠は時間だけではなく質も大切です。質・量ともに高い睡眠をとるように心がけましょう。
食べ過ぎ・飲み過ぎ
食べ過ぎが続くと頭痛を起こすことがあります。食生活を見直すことで頭痛が解消することがあります。
また、お酒の飲み過ぎで肝臓がアルコールによってできるアセトアルデヒドを分解できずに二日酔い・頭痛の症状があらわれます。お酒は適量を守るようにしましょう。
ストレス
ストレスによって緊張が続くと、筋肉までが緊張してしまうことがあり、頭痛の原因となる場合があります。
朝頭痛の改善方法
6~8時間程度の睡眠をとる
人によって必要な睡眠時間は異なりますが、目安は6~8時間程度とされています。普段の睡眠時間からみて、明らかに睡眠不足が続いていると思われる場合は、できるだけ早めに寝床に入り、リラックスして入眠するようにしましょう。ただし、寝過ぎや休日の寝だめはかえって生活のリズムを崩して逆に頭痛の種になることもあります。
首・肩に負担をかけない
姿勢で寝る
睡眠は時間も大切ですが、質も重視する必要があります。特に寝ている時の姿勢が悪いと、首や肩の筋肉が緊張して朝頭痛の原因になってしまうことがあります。枕の高さ、マットレスの硬さなどを工夫してみましょう。
就寝前と起床後に
水分をしっかりとる
眠っている間に人はかなり汗をかき、水分が不足して血行が悪くなり起床時の頭痛の原因となってしまうことがあります。就寝前、起床時にそれぞれコップ1杯程度の白湯や常温の水を飲むようにしましょう。胃腸に負担をかけないように常温の水がお勧めです。
ストレッチで筋肉をほぐす
仕事や勉強などで座ったままでいる、家事などで同じ姿勢をとり続けるといった日常生活を送っていると、肩や首がこってしまい、血行が悪くなることから頭痛の原因となることがあります。30分から1時間に1度程度は休憩をとり、座っている場合は立ち上がってストレッチなどをしてこりをほぐすようにしてください。
こうして、身体をほぐしておくことで、睡眠時にもリラックスできるようになると、朝頭痛の可能性を減らせます。
日中の過度な緊張や疲れは、睡眠の質を下げ、睡眠時無呼吸症候群の原因となることもあります。睡眠時無呼吸は血中酸素の低下、二酸化炭素濃度の上昇などから朝頭痛を起こすばかりではなく、心疾患や脳血管障害の原因となることもありますので十分に気をつけてください。
朝頭痛はご相談ください
寝起きに頭痛があると、睡眠をとって回復したはずの疲れがぶりかえしてしまいます。
それによって、日中の集中力の低下から仕事のミスや事故につながることもあり、大きくQOL(生活の質)を低下させてしまいます。
さらに、朝頭痛は睡眠時無呼吸症候群や脳の疾患などが原因となっている可能性もあります。「体質だから」「いつもの頭痛だから」と我慢してしまわず、早めに当院までご相談ください。