TOPへ

動悸・息切れ

動悸とは

動悸とは動悸は、心臓の鼓動にいつもと異なる違和感を覚える状態の総称で、脈拍が早くドキドキする、強く感じる、脈が飛んだり不規則になったりするなど多様な症状があります。こうした症状は、心臓の疾患、内分泌の問題、精神的・神経的な刺激・ストレスなどの身体の問題をあらわす徴候の可能性があります。

動悸の主な症状

  • 心臓がいつもより速くドキドキと動く
  • いつもより強くドッキンドッキンと聞こえる
  • 胸部に頼りないようなバクバクっとした感覚を覚える

などの、いつもと異なる鼓動の違和感が動悸です。

心臓は全身に酸素や栄養を含んだ血液を送りだすために、一定のリズムで収縮を繰り返しています。これを拍動といいますが、この拍動のリズムが何かしらの原因で速くなってしまう、不規則になってしまうといった状況で動悸を感じるようになります。
また、息苦しさや呼吸困難を感じることもあります。
動悸は、激しい運動をした後や、強度の緊張などのストレスによっても生じるため、必ずしも病気の徴候というわけではありませんが、時に心臓や内分泌などの疾患の徴候としてあらわれていることもあります。

息切れとは

息切れとは息切れは、息をするのがつらい状態、呼吸がままならない感覚など、自然な呼吸ができず違和感を覚える状態を指しています。激しい運動の後などには誰でも息切れを感じることがありますが、運動をしてもいないのに、ちょっとした動作で息切れがして苦しいといった場合、何か疾患のサインかもしれません。血中の酸素が不足していたり、二酸化炭素が過剰になったりしている状態で息切れが起こることが多く、肺や心臓の疾患、血液、ヘモグロビンの不足などを起こす疾患の可能性も考えられます。

息切れの症状

息をするのに違和感を覚えるような症状の総称が息切れで、人によって様々な表現があります。主なものとしては

  • 息をするのが苦しい
  • 息を吸い込めない感覚
  • 呼吸するのがつらい
  • 胸苦しい感覚
  • 息が詰まってしまうような感覚

などが挙げられます。

救急受診が必要な動悸・息切れ

  • 息切れに伴って咳や痰が止まらない
  • ゼイゼイ・ヒューヒューと喘鳴のような呼吸を伴う息切れ
  • 身体を少し動かすだけで激しい息切れになる
  • 呼吸するのがつらい
  • 動悸・息切れに胸痛を伴う
  • むくみがひどく、動悸や息切れがある
  • 息切れがひどく倦怠感もある
  • 動悸がひどく、めまいやふらつきがある
  • 動悸に伴い冷や汗が出る
  • 動悸・息切れがして失神してしまう

など

動悸・息切れは全身の様々な疾患から起こる可能性があります。動悸・息切れの他にどのような症状を伴うかによって、どこが悪いのか推測する手がかりとなります
例えば、息切れに倦怠感やむくみを伴う場合は、心疾患の可能性が考えられます。また、咳や痰を伴う息切れの場合は肺炎やCOPDが疑われます。
上記のような症状を伴う動悸・息切れが起こっている場合、重篤な疾患による症状の可能性もありますので、救急対応で医療機関を受診してください。

動悸・息切れの原因

動悸・息切れはよくセットで扱われますが必ずしも同時に起こるものでもありません。しかし、心臓の疾患や血液の疾患などでは同時に起こることも多くあります。主な原因は以下のようなものです。

代謝異常

バセドウ病などの甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫などの副腎疾患によってホルモンの過剰分泌が起こり代謝異常になると動悸が起こることがあります。どの臓器の病気か、どんな病気かによって対応はそれぞれ異なります。異常を感じたら内分泌内科などに相談して適切な治療を受けるようにしましょう。

バセドウ病について

心臓の異常

心臓に疾患があると、全身への血液の流れが滞ることで、細胞が酸素不足の状態になったり、二酸化炭素が過剰になったりします。これによって動悸・息切れが起こります。
心臓を構成する筋肉の病気(心筋症)、心臓の各室・房を隔てる弁膜の異常(弁膜症)、洞結節異常や異常電流の発生による不整脈などが主なものです。

呼吸器疾患

肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息などの呼吸器疾患があると、低酸素血症や高二酸化炭素血症などが起こり、動悸・息切れにつながります。

ストレスや不安

緊張や不安などで心身に強いストレスを受けると、自律神経のバランスが崩れ、呼吸や心拍に影響を受けます。そのため動悸・息切れが起こることがあります。

薬物や刺激物の摂取

アルコール、カフェインなどの過剰な摂取や喫煙によるニコチンの作用などで、血管の収縮や自律神経の乱れなどを引き起こし動悸・息切れが引き起こされることがあります。また薬物によっても同様な症状があらわれる場合もあります。

貧血

貧血になると、全身の細胞に運ばれる酸素が不足することで、心臓は活動量を増やして無理矢理血液を循環させようとすることがあります。これによって動悸・息切れが起こります。

高体温

発熱や熱中症による体温上昇などによって心拍数が増加し、結果として動悸、息切れを生じます。

動悸・息切れの検査

動悸・息切れの原因は様々です。問診で患者様の症状や発症の経緯などについて詳しく確認、その上で必用な検査を行って原因を特定していきます。

血液検査

採血検査によって、貧血の有無や程度、炎症の有無、各種臓器の健康状態、血中のホルモン値など、様々な情報を把握することができます。血液検査は基本の検査となります。

心電図(ECG)

心電図心臓まわりの疾患が疑われる際に、心臓の電気信号の状態を記録し、確認することができる検査です。不整脈、心筋の障害などの状態を検出することができます。

胸部レントゲン

胸部レントゲン心臓、肺といった胸郭内の臓器の状態を確認することができます。
上記の検査で異常が見つからない場合で、心因性の動悸や不整脈が疑われる場合は、詳しく調べるために追加の検査が行われることがあります。

動悸・息切れの治療

動悸・息切れの治療は、原因疾患によって異なります。検査で原因を特定して、それぞれの原因に応じて適切な治療をおこなっていきます。

甲状腺機能亢進症による場合

甲状腺ホルモンが過剰分泌されると、身体が異常に活性化するため動悸・息切れがあらわれることがあります。代表的なバセドウ病の他にも、橋本病の急性憎悪などで甲状腺の細胞が壊れ、一時的に甲状腺内に蓄積されたホルモンが大量放出されることがあります。当院ではそうした内分泌疾患に対して、適切なお薬の処方によって対応していきます。

心臓病・不整脈による場合

心疾患の場合、程度によって、様々な治療法があります。重症の場合や、連携する高度医療機関を紹介して治療を受けていただくこともあります。不整脈の場合は脈拍を整えるお薬や、血栓予防のための抗凝固薬などを処方することもあります。

呼吸器疾患による場合

呼吸器系の疾患では、肺炎、COPD、気管支喘息、咳喘息などが主な疾患として考えられます。それぞれに応じた治療を行います。近年問題になっているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の場合はステロイド薬や気管拡張薬、気管支喘息の場合は発作に対応するお薬と発作を起こりにくくするお薬などで対応します。

貧血による場合

貧血によって動悸・息切れが起こっている場合、貧血の原因によって、治療法を適切に選択していきます。鉄欠乏性貧血の場合、鉄剤を中心に治療します。ビタミン欠乏性貧血の場合はビタミンB12を中心にした治療を行っていきます。失血性貧血などの場合は失血原因の治療を第一とします。

心因性の場合

ストレスや重度のプレッシャーなど精神的・心理的な原因から動悸・息切れが起こっている場合は、まずはそういった心因的原因からの解放を目指します。生活習慣の改善などだけではうまく処理できない場合は、一時的に抗不安薬や抗うつ薬などを使用することもあります。

更年期障害の場合

更年期障害では急激なホルモンバランスの変化によって、ホットフラッシュや動悸・息切れの症状があらわれます。症状が強い場合は、漢方薬やホルモン薬治療によってホルモンバランスの調整を行うことがあります。

Contactご予約・お問い合わせ