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暑さに弱い

夏に体調が悪くなる原因は
甲状腺疾患?

夏に体調が悪くなる原因は甲状腺疾患?急に夏の暑さがこたえるようになったり、のぼせたり、また逆にエアコンの風で冷えを感じるようになったりと、ただでさえ真夏の暑い時期はつらいのに、体調を崩すほどの変化を感じるような症状があらわれてきた場合、内分泌の病気が考えられます。ただし、もとから暑がりで夏に弱いようでしたら、体質の問題も考えられます。
甲状腺は身体の代謝をつかさどるホルモンをつくる内分泌器官で、のど仏下あたりに蝶のような形で拡がっています。通常は、そのあたりを触っても、医療関係者でないかぎり甲状腺を感じることはありませんが、何かしらの疾患があると甲状腺を感じることがあります。
甲状腺の病気は意外に多く、特に20~40歳代の女性の10人に1人は甲状腺機能低下症や亢進症にかかっていると言われています。暑さ、寒さなどに急に敏感になるような症状があらわれたら、当院までご相談ください。

甲状腺ホルモン過剰の場合に
起きる症状

  • 頻脈、動悸・息切れ、不整脈、心不全、脳梗塞などの疾患
  • イライラ、感情の高ぶり、神経質になる
  • 手指のふるえ、筋力の低下
  • 暑がり、多汗、微熱、高体温
  • 下痢、頻尿
  • 食欲亢進、体重減少(食事量が多くても痩せる)
  • 疲労感
  • 睡眠障害
  • 肝機能異常
  • 脱毛、薄毛

など

甲状腺ホルモン不足の場合に
起きる症状

  • 徐脈
  • 発汗の減少
  • 寒がり
  • 心が落ち込む、抑うつ感、記憶障害
  • 無気力
  • 肝機能異常
  • 便秘(消化管の運動機能低下による)
  • 毛が抜ける
  • 体重の増加、むくみ
  • 皮膚の乾燥

など

バセドウ病で熱中症?

バセドウ病で熱中症?バセドウ病に代表される甲状腺機能亢進症になると、気温の高い夏場には熱中症になりやすいため注意が必要です。甲状腺ホルモンが過剰な状態では糖や脂肪が燃焼され細胞が激しく活動するため、熱を発生しやすくなります。身体の水分が失われやすくなるため、水分を補給できなければ体温も上昇し熱中症を起こしやすくなります。
また、甲状腺ホルモンが過剰になると多汗・頻尿によって低カリウム血症を起こしやすくなります。カリウムが不足すると筋力が失われたり、痙攣しやすくなったりし、最悪は致死性の不整脈を起こすこともあります。
さらに甲状腺ホルモンが多いと血液が凝固しやすくなり、それに伴う血栓発症の危険もありますが、体熱が溜まることで血液の粘性が上がるためさらに危険度が増加します。

バセドウ病の方の夏の過ごし方

汗をかくと自覚しているより多くの水分を失っている可能性があります。気温が高くなってきたら以下を心がけましょう。

  • 思っているより多めの量、こまめに繰り返し水分を摂取します
  • 水、お茶だけではなく、塩分、ミネラルが含まれているスポーツドリンクなどや梅干し、塩タブレットなどを摂るようにします
  • 炎天下に出ている時間をなるべく減らし、涼しい場所で過ごします

甲状腺ホルモンが過剰になっていると、その程度によっては何もせず静かにしていても、健康な人が運動をしているほどに体力を使ってしまっていることもあります。夏の暑い時期には、激しい運動、サウナといった汗をかくような行動を避けるようにします。
また、季節に関係なく、抜歯や切開手術など出血を伴うような治療は避けるようにします。こうした処置が必要な場合でも、まずは甲状腺ホルモンの状態を安定させる治療を優先します。

甲状腺疾患以外で
暑さに弱い人の特徴

甲状腺の異常以外で暑さに弱い方の特徴としては、肥満(皮下脂肪が多い)、高血圧、食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、運動不足、生活時間の乱れ、あまり屋外に出ない、エアコンをよく使用する、ストレスを溜めやすいといったものが挙げられます。

病気でなくても暑いと
動悸(心臓がバクバク)する?

日本人の平均的な心拍数は60~70回/分です。ただしこれは安静にしている場合で、歩くことや様々な動作をすることで、1分間の心拍数は1日のうちに大きく変化し、その総数は10万回/日を超えるとも言われています。炎天下で汗を大量にかいてしまった場合、血液の水分も失われるため、それを補うように動悸は激しくなります。できるだけそうした状態での行動を避け、どうしても必要な場合は、こまめに水分を補うようにしましょう。

暑さに弱い方が熱中症に
ならないためにできること

  • 地域にもよりますが、エアコンは酷暑の際は28℃前後に設定し、扇風機やサーキュレーターと併用する
  • 日中直射日光が当たる窓は、すだれや遮光カーテンなどで光線を遮る
  • 水分を普段より多め(量・回数とも)に摂取する
  • お住まいの地域の気象警報(熱中症情報など)を適宜確認する
  • クールビズの服装で通気性の良い軽装を心がける
  • 帽子、サングラス、長袖などで日焼け対策を徹底する
  • パソコン、TVの録画装置、白熱灯など発熱の多い電化製品のつけっぱなしを避ける
  • ラーメンや激辛の食べ物、こってりした食べ物などを避け、野菜や果物などを多めに摂取する
  • 熱中症の初期症状を確認しておき、変調があったらすぐに対応できるようにする(自身で対応できる間に適切な処置をすることで重症化を予防できます)

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